されど仲良し

子どもへの言葉

 親友とはどんな友だちのことをイメージしますか。

(子どもたちに聞いてみてもいい。)

 親友というと、一緒に学校に来たり帰ったり、同じような持ち物を持ったり、おそろいの服を着たり、あるいは一緒にトイレに行ったりするような人と考えてしまいますが、本当の親友とは少し違います。

 ぼくは算数が大好きだけど、あいつは算数が大の苦手なんだよね。それでも僕らはなかよしだよ。
 あいつはスポーツが大好きだけど、おれは大嫌い。それでも話が合うんだよね。
 私たちは帰り道も習い事も全然違うけど、学校で話すときにはとっても気が合うんです。

というように、人のつながり方っていろいろあるんです。

 前の日に、図工の作品を見あって、誰の作品がいいかを書いてもらいました。もしかしたら、仲のいい人の名前を書かなきゃいけないって思った人もいませんでしたか。「親友だから」と理由で。

 しかし、それは本当の意味で親友とは言えませんね。俺から見たら、あいつの絵は決してうまいとは言えないけど、それでも大切な友だち、だと言えることの方が親友です。
 反対に、いつも話したことはないけど、〇〇さんの絵は採っても上手だった。同じクラスにこんな人がいたなんていいなあ、と思えることも大切なのです。

 絵は絵、人は人、なのです。

 学級で討論会をするときに、友だちと意見が合わないこともあるかもしれません。これも同じです。意見は意見、友情は友情なのです。
 違いを理解しても壊れないのが本当の友情です。意見をそろえないと友だちじゃないと言われたら、長続きしないと思いますよ。

「武者小路実篤という小説家は、こう言いました。『君は君、僕は僕、されど仲良し』、先生は素敵な言葉だと思います。

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