読書指導 利用マナーを教える

図書指導

 基本的に図書館内では沈黙である。(意外にできていない学級が多い。)
 それは学校だけでなく、図書館であればどこでもそうであることを伝えておく。

 子どもたちは一冊の本を友だちと読みたがる時がある。それはそれで確かに楽しい。しかし、それは休み時間に読むときでもできる。
 図書館での閲覧の読書は、自分に合う本を見つける時間でもある。
 ここでは友情はいらない。孤独になることも時には必要なのである。この傾向は下の学年ほど多いが、こまめに指導を入れるようにしている。

 読んでいる本を回し読みすることがある。教室で読んでいる時にも出てくる。
 原則として禁止にしている。本がなくなる、あるいは破損するという状況になったときに、その責任は記録に名前が残っている人、つまり初めに貸し出した子どもになる。
 そのことを伝え、人の責任を自分が取りなくないだろから、貸さないことと伝える。

 こうしたことは一度教師が明言しておかないと、子どもたちの暗黙のルールがいつの間にか作用している場合がある。

 下の学年になれば、読みながら声が出る子どももいる。歓声を上げたり、笑ったりもいるが、多いのは「音読」してしまうことである。これは、発達の途中で出てくる一過性の現象であるから、黙認している。子どもも知らないうちに声が出ている。

 本を広げたままうつぶせにしない。背表紙が痛むからである。特に学校のようにたくさんの子どもたちが借りる場合は劣化も速い。これも教師が明確に指導しておく。

 破損の際の処理の仕方は、学校にルールがあるだろうから、それを伝える。大切なことは黙っておかないできちんと伝えること。そうすれば、修理も可能であり、傷んだ場所が放置されているうちにひどくなっていく心配も軽減する。

 初期の段階では、自由に借りていいことにしていた。

 高学年なのに、下の学年向きの本を選んでもかまわない。むしろ読みたかったら、シリーズ全部読んでもいいと伝えている。小さい時に読んでいなかった本を今になって読みたくなることがある。それはそれでいい経験だ。
 そうやって読んでいくうちに、自然に卒業していく。読書量が増えるほどに、該当の学年に合うような本を自然と選ぶようになる。
 読書指導は、量の指導つまりたくさん読ませることも必要になる。機会が少ないと、そのわずかの機会に教師も口を出したくなる。量を確保し、指導もゆっくりと入れていく。

読書指導ラインナップ
 本好きにするための指導群

 01 図書館は宝の山
 02 偶然の出会いを待つために
 03 初日の指導は図書館探検
 04 図書館利用マナーを教える
 05 高学年でも貸し出しは増える
 06 読書感想文は書かせない
 07 読書量の目安はどのくらい?
 08 学級文庫は必要か?
 09 読解力と読書は直近では無関係
 10 国語教育と読書は別物として考える
 11 子どもの目の動きを読む

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