卒業式の指導 親孝行

子どもへの言葉

 今、卒業式の練習をしています。当日に間違えないようにロボットのように動くことを目指して練習しているわけではありません。

 当日、君たちの親も来てくれるでしょう。
 君たちが証書を受け取るために席から立ち、歩いて檀上まで行き、名前を呼ばれて返事をし、証書を受け取り、そのまま歩いて席に着くまでの間、親はずっと君たちのことを見ています。いえ、君たちのことしか見ていません。

 その時に堂々と歩いて、しっかりした声で返事をし、さわやかに礼をして戻っていく姿を見て、我が子も大きくなったなあとうれしく思うのです。

 君たちがここでこうして練習しているのは、自分たちのためでもありますが、先生はそれが親孝行だと思っているのです。

 親は「卒業させたのだから」なんて見返りを求めたりをしません。君たちも特別に何かお礼をする必要もないでしょう。
 代わりに成長した姿を見せることが、親孝行です。

 失敗してもいいのです。先生たちもそうですが、親だって、一生懸命にやっていても失敗してしまうことを、叱ったり残念に思ったりはしません。

 練習しても当日失敗することはあるのです。
 大切なことは、そこに向かう姿や気持ちなのです。
 小学校最後の授業として、思い残すことなくやりきったと思えば、胸も張れるし、堂々とした姿になります。
 動きや言葉を間違ったとしても、その堂々とした気持ちは変わらず見えるのです。
 当日がそんな時間であることを願っています。

<補足>

 これはそもそも教師が、どんな気持ちで練習させているかに大きく左右する。

 規律正しく動くことに重点を置いた指導をして、何度も叱りやり直しをさせるようであれば、この言葉は通じないかもしれない。

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