ICT教育とはアプリの使い方を教える教育なのか
ICT教育の重要性が叫ばれています。コロナウイルスのおかげ?で学校にタブレットPCの導入が早まり、その声は一層大きくなっているようです。
さてこの場合のICT教育とはいったい何を指しているのでしょうか。
結論から言えば、ICT教育をアプリの使い方の教育で終わってしまってはいけない、ということです。
学校教育にコンピュータが導入されてから、さまざまなソフトウエアやアプリが入ってきました。そのたびに、使い方の学習をしてきたように思います。
しかし、使い方を覚えるようになっても、やがてそのソフトウエアやアプリそのものがなくなっていることもあります。
アプリの使い方を子どもたちにわざわざ教える必要はありません。教えるとしても最低限のことを少しの時間で教えるだけで十分です。
なぜなら、子どもたちは自分で勝手に覚えるからです。ユーザーインタフェースという言葉があります。使い手がどのくらいストレスなく使えるかという考え方です。最も優れているのがゲームです。子どもたちは説明書を見ながらゲームをしたりしません。やりながら何となく理解していくのです。そして高得点を目指したければ、友だちに聞いたり、攻略本を探したりして上手になっていきます。
今の子どもたちのPCに対する姿勢は基本的にこれです。必要があれば勝手に身に着けていきます。使わせていけばいいだけなのです。
使い方の練習が必要なのは、実は教師の方です。子どもは基本的に放置していても大丈夫です。一定のレベルで使いこなすスキルが止まっていて、それが学習に支障が出る場合だけ教師が教えていけばいいのです。「こんな使い方があるよ」と。
そうでなければ、さまざまあるアプリの機能の中でも子どもたちには必要のないものなのでしょう。大人も然りです。みなさんは、エクセルの機能をすべて使いこなすことができますか。ほとんどの人ができないでしょうし、する必要がないのです。
そして、わざわざもっと便利な方法はないかと仕事を差し置いて探す人も珍しいでしょう。ある時に、よく知っている人が教えてくれて、あー便利だなあ、これからこの方法でやってみようと思うくらいです。