3月の学級経営の感度を信じて

教育技術シリーズ

3月が最も学級経営の感度が高い

 最後の成績処理をしようとする3月、年度末。
 今年度のゴールも見えてきている。
 子どもたちは最後の最後まで、どう化けるか分からないので、気を抜かずにしつこく指導は続けていくことをお勧めする。

 同時に、今年度の課題が見えるのもまた、三月である。
 「こんなはずではなかった、もっとこうすればよかった。」と思うことがいろいろと頭の中に浮かんでくることだろう。

 そうなのである。
 学級経営を考える上で、実は3月が一番感度が高い。この時期に見えてくるもの、考えていることは、およそ自分にとっての正解に近い。

 理想と現実のギャップをしっかりと見ることができる。そして、対策もイメージできる。あの時に、このように対応しておけばよかったのだと思うことは多い。

 課題の多くは、残りの時間では、解決に間に合わない場合が多いだろう。
 そして、すでに「課題のまま」で過ごしてきた一年間を今さら変えることも難しい。
 もっと早い段階で指導を入れておけば、今とは違っていたかもしれないのに、と思うことも多いだろう。

 だからこそ、今の思いを来年度に生かすのだ。
 教師の仕事は、基本的に一年でリセットである。今年の後悔を来年度への糧にするには、これほどいい仕事はないかもしれないと思うくらいだ。

 今の学級の課題を必ずメモに書き残しておくことである。
 できる限り、具体的な代案を添えて。
 どんな小さなことでも、来年度のために書き残しておく。そのメモの量が多ければ多いほど、次年度の成功率は高い。

 新年度の準備のために、ノートを一冊用意しておくといい。(参照  )
 4月のスタートは、そこにオールインワンパックにするのだ。
 ということはつまり、このノートの準備は今からやっておくことになる。新年度準備ノートの書き出しは、3月の課題から始まることになる。

 はっきり言う。
 新年度の配置が決まった段階で、記憶だけの課題は全部忘れる。
 4月はすぐそこだから覚えている自信もあるだろう。残念ながら、先ほどの「教師は1年でリセット」がここでも作用しているのだ。

 怒涛のような忙しさの中で、目の前のことを処理するだけで一か月、いや三か月はあっという間に終わる。
 目の前の膨大なタスクを処理しているうちに、それが日常化してしまう。高い目標も、改善を思いついた指導法も全て、日常の中に埋もれてしまう。
 私も何度も同じ失敗をしてしまった。

 次に思い出すのは、・・・また年度末かもしれない。(笑)

 新学期のスタートに関する情報は、今やたくさんある。私も今後発信しようと思っている。
 しかし、一番有効な情報は、自分自身の中にある。 

 自分の課題と解決していきたいという熱は、すでに自分の中にある。それに従って行動するのが、もっとも効果的である。
 新しい情報を受け取っても、使うかどうかの選択は自分が決める。

 だとすれば、そもそも自分が何を目指そうとしていたのか、それを記録という形でまずは次年度につなげるところから始めよう。

 単なる思い出だけを毎年再生産しているのでは、あまりにもったいない。

 

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