朝の会は基本的に不要

教育技術シリーズ

 朝の会という活動がある。基本的には不要である。

 学校や学年で統一をされているところもあるかもしれないが、できる限り短くすませていく方が、むしろ必要な情報が伝達できる。

 朝のあいさつは、おそらくどこでもするだろう。
 朝、三々五々に登校してきた子どもたちがまだ雑然としている時間から、全体が一緒に活動する公的な時間との境目としてあいさつをする。
 これは大人の会議の始まり(朝会)と同じと考えていい。

 しかし、どうせあいさつをさせるなら、ぐだぐたにならず、進めた方がいい。

 声を出していない子どもや何もしていない子どもが多ければ多いほど、子どもたちは「決められたことをやらなくてもいい」ことを朝の第一番目から学んでいることになる。

 健康観察は、このコロナ感染の状況から必要だと言われているだろう。これは、出席の状況を全体の場で把握することと、朝の子どもたちの状況を把握するために行う。

 教師が名前を呼び返事をさせる方法が多いだろう。
 子どもたち自身に「〇〇(フルネーム)です。元気です。」と立って一人ずつ言わせるといい。はじめは列の順番で、やがて出席番号順で言わせる。教師が呼名するのではなく、子ども自身に言わせると、子どもたちもぼうっとしなくていい。

 列順で言わせると、健康観察簿への記入が面倒という教師もいるだろうが、慣れてくると名簿順に言われなくてもすぐに書けるようになる。(ほとんどみんな、元気だから。)

 名札やハンカチなどの持ち物チェックをしている場合もあるが、不要である。ここで聞いたからと言って、忘れている子どもたちの状況が改善するわけではない。

 1日のスケジュールを確認する場合もある。これは教師の連絡の中で必要に応じてやればいい。子どもが楽しみにしていたものが中止になる場合などは説明をしておく方がいいだろうが、時間割通りの時などは言わなくてもいい場合が多い。分かりきったことを繰り返していると、子どもはむしろ聞かなくなる。

 子どものワーキングメモリや時間感覚を考えて、朝一に話す内容は厳選した方がいい。
 例えば、午後の活動については、給食時間でも話はできる。

 

 これ以外は、基本的に不要である。あいさつをして健康観察、連絡だけである。3分程度で終わりである。

 朝のめあて確認やスピーチをさせる学級もあるようだが、やりたければ、朝の会は一度打ち切って、そのあとに別メニューとして続けてすればいい。

 配付物などは朝の会が始まる直前に配布を始める。
 私の場合は、朝子どもの登校がぼちぼち増えたころに、一番前の席の机の上に人数分配っておいた。  
 そうすると、子どもたちが自然に座席に戻ってきて、列の分を配ってくれる。確認が必要な大切なものは帰りに説明しながら配ればいい。

 朝の会から、テンポよく進める。
 そして、させること一つ一つは意味を持たせ、行動はシャープになるように心がける。
 そのためにも内容はシンプルな方がいい。
 所作が美しくなると、心も軽くなる気がしていた。

朝の会・帰りの会・あいさつシリーズ  子どもに所作の美しさをマナーの大切さを少しずつ教える
 朝の会は基本的に不要
 帰りの会も基本的に不要
 あいさつの所作1 基本 朝のあいさつ
 あいさつの所作2 応用 帰り・給食のあいさつ
 あいさつ 個人でできてこそ
 あいさつ その価値を教える
 所作が美しい子ども お礼が言える子どもを育てる
 中途半端な活動は負の教育になる しなくていいことを教える教育

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