国語のテストの解き方2(読む習慣)

教育技術シリーズ

 国語のテストは、多くの場合、横置きで上半分が教科書から抜粋した問題文、下半分が設問となっている。

 結論から言う。
 子どもたちは、テストのときに上半分の問題文を読んでいない。読まずに解き始める。

 理由がある。
 国語のテストの1番目の設問は、答えがほぼその真上に書いてある。
 そのことを子どもたちは経験則的に知っている。だから、テストが始まると、設問1を読み、それらしき答えを真上から見つけて書いてしまう。

 試しに、国語のテストをするときに、用紙を配ってから始める合図をして、子どもたちの様子をじっと見ていると分かる。
 名前を書き終わると、ほとんど同時に設問1にとりかかり、答えを書き上げる。つまり、上の問題文は読まずにいることが分かる。

 この状態で設問2,3と進んでいくと、だんだん答えが分からなくなる。その真上に答えがあるとは限らなくなるからである。
 しかし、今さら上の問題文を初めから読み直そうとも思えない。

 かくして、子どもたちは答えらしきところを「何となく」探してしまうのである。

 あるいは、授業で勉強済みだから、記憶で書こうとする子どももいる。当然、記憶だから中途半端である。よって答えも中途半端になる。

 問題文を読まずに答えようとする習慣があると、学力調査のような初めて出会う文章から答えを導くときに、手も足も出なくなる。そもそも日ごろから読んでいないので、瞬発的な読解力もなく、読むことそのものを面倒に感じていたりする。

 文科省の学力調査は、問題文が長文である。設問は少ないのだが、問題文が長い。だから、そもそもテストで読む習慣がない子どもたちは、見た段階でお手上げである。

 国語テストでは「まず問題文を読め」から指導する。
 年度当初は一斉に音読してもいい。問題文を読んだ後で、今度は設問も音読する。
 (塾によっては、設問を読ませた後で問題文を読ませる指導するところもあると聞く。)
 多くの子どもたちは、この段階でほぼ8割の正答率となる。どこに答えがあるか分かるのだ。

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