読書指導 初日の図書館探検

図書指導

 子どもたちは、昨年度までに学校の図書館をすでに何度も使っている(はずである)。

 しかし、子どもの目線で見れば、目指す書架はいつもおよそ同じ場所であろう。低学年ならば読める本も限られるからだ。
 だから子どもたちにとっての図書館は、大人が考える以上に狭い場所だととらえているだろう。

 また、書架のせいで見通しも悪く、行ったこともない場所はなんとなく近寄りがたい雰囲気を醸し出しているように見えることだろう。
 教師も試しに子どもの目線まで屈んで図書館の中を見渡してみると分かる。奥の方の難しそうな本が並ぶところには近寄りがたい雰囲気が・・・

 だから、図書館利用の第一回目は、図書館探検をする。

 まず子どもたちにどこでもいいから、書架の前に立たせる。友だちとは別の場所になるように、それぞれ違うところに立たせる。
 場所が決まったら、目の前にある本の題名だけを読んでいく。時間にして1分程度。

 時間になったら、場所替えをする。すぐ隣の書架を選ぶのではなく、なるべく今までに行ったこともないようなコーナーに行くように促す。そして1分、題名を読む。

 それを数回繰り返す。
 一度座席に戻し、話をする。

 今題名だけを見た本の中に、おもしろそうだなあと思った本もあったと思います。
 今から本を3冊持ってきていいです。(学年や状況に応じて2冊でも4冊でもいい。)
 その中で1冊は自分がよく知っている本でもいいですが、残りの本は今までに見たことのない本を持ってきてください。
 それも1冊が物語なら、もう1冊は図鑑など、種類の違う本がいいです。それではどうぞ。

 子どもたちが本を選び戻ってきたところで

 それは今からその選んだ本を自由に読んでいいです。
 1冊読んで時間を使い切ってもいいですし、3冊を分けて読んでもいいです。最後に1冊借りていきますが、読んだ本の中から選んでもいいし、違う本でもかまいません。

 時間があるのなら、年間を通して何度かやってみることをお勧めする。
 本は題名を読むだけでも楽しさの伝わるものも多い。
 学校で同時に複数冊借りることができるシステムならば、時折あえて「今まで全く知らなかった本」を借りることを試させてもいい。背中を押すのが教師の仕事である。

読書指導ラインナップ
 本好きにするための指導群

 01 図書館は宝の山
 02 偶然の出会いを待つために
 03 初日の指導は図書館探検
 04 図書館利用マナーを教える
 05 高学年でも貸し出しは増える
 06 読書感想文は書かせない
 07 読書量の目安はどのくらい?
 08 学級文庫は必要か?
 09 読解力と読書は直近では無関係
 10 国語教育と読書は別物として考える
 11 子どもの目の動きを読む

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