体育指導43走り高跳び6

走り高跳び6

 新しく注意すること

1 落としたバー

 高さに挑戦してくると、バーが落ちるようになる。いちいちもとに戻すのが面倒なのが、この運動の特徴なのだが、これをスムーズに行うために、先に跳んだ子どもが跳び終わった後に待っておく方法を採る。

 バーが落ちたら、跳んだ本人と、その待ってくれている友だちの二人で戻すとスムーズに戻せる。

2 踏み切り位置

 踏み切り位置は、バーの中央がいい。しかし、助走があわないのか、スタンドに近い位置で踏み切ろうとする子どもたちが増えてくる。

 スタンドに近いと、そのまま跳躍したときにスタンドに突っ込む危険がある。実際に着地後に手や足がスタンドにあたるような子どもも出たことがある。

 仮に当たらなかったとしても「当たるかもしれない」という距離にいると、無意識のうちに力を抑えてしまう。防衛本能である。直前に危険が迫っていると感じたら、身を守ろうとする動きになるのは当然のことである。

 これが、跳躍という一瞬の中での感覚であり、また自分の踏み切り位置が原因だと自覚できる子どもはほとんどいない。

 これは教師が見つけて、子どもたちに教えるべきことである。気づくのを待っていると本当にけがをする。

 踏み切り位置を決めるために、ケンステップを置く実践がある。個人的には反対である。

 今から高さのある障害物を跳び越えようとするときに、目線は当然その障害物であるバーに向かうはずである。

 それなのに、たとえ一瞬とはいえ目線を下げ、どこで踏み切るかを考えなければならなくなる。踏み切り位置を確かめつつ、次の瞬間にまた目線をバーに戻して跳躍するという動きや意識の流れには無理がある。

 踏み切る場所に、跳び箱で使う踏み切り板を置いたこともあるが、これも同じく子どもたちの視点のブレを招いてしまった。

 気にすることがいくつもあると、子どもたちは跳躍という運動そのものに集中できなくなる。

 ただ、バーへの進入角度を決めるために助走のコースの途中にコーンを置き、バーに垂直に進入しないようにしたこともある。これは一定期間であれば効果はあった。

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