国語のテストの解き方1(見つける)

教育技術シリーズ

 国語の教科書に出てくる教材文(物語や説明文)は、当該学年の子どもたちには理解しやすいような内容になっている。
 それは、国語という教科が言葉を扱う教科であるためだ。教材を通して、言葉について学ぶのだから、内容そのものはすぐに理解できるようにしておかねばならない。

 そこが社会科の内容とは大きく違うところである。社会科では教科書に書かれていることそのものが、学習内容なのだから難しく感じるのは当然である。

 だから、物語にしても説明文にしても、初読でおよその意味をつかむことができる。
 また、国語のテストのほとんどの問題は、「書いてあることから探す」問題である。
 テスト用紙の上段に教材文が示されており、その中から答えに相当する部分を見つけるという作業だけである。

 覚えていないとできないような問題はない。最近は、自分の意見を書かせるような記述式も少し入っているようだが、まだ少ない。(少ないままでいい。)

 だから、実は国語のテストは、単元の学習をしていなくてもやろうと思えばできる。

 当該学年が読むには比較的簡単な文章があり、そこの中から答えを「探す」だけである。学んでなければできないようなことはほとんどない。

 そもそも書いてある内容そのものが分からなければ、行間を読もうとか、構成を理解しようなどできるわけがないのである。

 率直に言えば、国語のテストは、授業との因果関係はほとんどない。
 いい授業をしたから点数が上がるとか、その逆はない。

 これは社会科テストの「資料活用」の部分と同じである。(参照)

 私はこれを「ウオーリーを探せ」と同じ、だと説明していた。
 答えは必ず文章の中にある。分からないのではなく、見つからないだけであると。
 にもかかわらず、国語のテストの点数が上がらないと嘆く教師は多い。

 それは授業の良しあしではなく、テストの解き方の指導の問題である。
 理由は大きく2つある。
 一つは、子どもたちが問題文を読んでいないこと。
 もう一つは、答え方が間違っているということである。 (続く)

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