心の貯金

子どもへの言葉

 4年生以上向き。 

 この話は、日ごろから子どもたちが自分の行動を振り返るための指針として、4月ごろにはいつも話していた。
 いつも言うような話ではなく、ましてや「心の貯金ノート」などを使って、行動の振り返りなど不要である。時折、思い出していく中で、自分のあるべき姿をメタ認知できればいい。

心の貯金って知っていますか。

心の中には、いいことをすると貯金がたまり、悪いことをすると貯金が減ります。悪いことが続くと借金になります。

 朝「おはよう」と声をかけると、貯金が一つたまります。

 では、あいさつをされた人はどうでしょうか。本当のお金ならば、あいさつをした人の貯金が増えれば、された人の方は減るでしょう。

 しかし、心の貯金は違います。あいさつをされた人も「おはよう」と返せば、同じように心の貯金がたまるのです。ただ、先にあいさつをした人の方がほんの少し多くたまります。

 同じようにものが落ちているのを拾うと、心の貯金が増えます。落とした人が「ありがとう」とお礼をいれば心の貯金がたまります。せっかく拾ってくれたのに「勝手にさわるな」なんて返していたら貯金は減ります。

 いいことをすれば貯金は増えていきますが、その量はしたことによって変わります。借金も同じです。毎日あいさつを続けている人は心の貯金がたまっていますが、人を傷つけたり犯罪をしてしまったりすると一気に貯金は減ります。

 人間は神様や仏様ではないので、つい悪いことをしてしまうこともあります。怒ったり、喧嘩をすることもあるでしょう。一生の間に貯金が増えたり減ったりしながら人は生きていくと思うのです。そして最後に死ぬ直前で貯金なのか、借金なのかで、その人の生き方が決まるのだと思っています。

 この心の貯金は、先生の目から見ても分かりません。分かっているのは自分自身と天の目だけです。どんなにごまかしても自分だけはごまかせません。

 そして、自分が気付かないうちに貯金がたまることもあれば、借金がふえていることもあるのです。

 さて、みなさん。

 今日、朝起きてから今の今まで、自分には貯金がたまっていると思いますか、それとも借金になっていると思いますか。

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