この状態になれば、あとは次々と合格させるように手立てを打ち続けるだけである。
あごが上がる、腕が曲がっているというような技術的な課題がある子どもにはその話をすればいい。泳いでいるときに声をかけ続けることもできる。
ずっと練習していて体力的に無理が来ている場合は、プールサイドで一度休ませてもいい。子どもに応じた助言を繰り返すだけである。
学習時間には限りがある。単元の時間内で一人でも多く泳げるように、最後まであきらめないで続けていく。
結果として、数名が時間切れの時もあった。20mくらいまでいくのに、そこで止まることを繰り返して最終日が来たこともある。中学校で泳げるようになることを願って終了であった。
また、全員が泳げるようになった年もあった。最後の最後に泳げるようになった。
最後の25m挑戦の時間をなるべく多く確保したい。そのためには、できる子どもたちは次々と合格させ、本当に泳げない子どもたちに指導ができるような状態を作らないといけない。そして、初期のステップをできる限り効率的に進めて、レベルアップのスピードを上げなければならない。
全員が25m泳げるようにするためには、学年全体の指導の仕組みや段取りを第1時から的確に進めていかないといけないのだ。
5月から呼びかけ、同学年にも趣旨を理解してもらい、グループ編成や指導法についての共通理解を図り、毎時間ごとに計画の微修正を行い進めていく。
教師も授業が終わるたびにへとへとになるが、この25m達成で大きな成功体験を味わうかもしれない子どもたちを想像すると、やはり手を抜けないのである。
全員25m完泳を目指す水泳指導ラインナップ
水泳指導 準備シリーズ 学年全員の指導をターゲットにします
01 泳げることの向こう
02 指導は5月に始まる
03 指導の全体像
04 子どもたちのエピソード
05 指導の系統
水泳指導 浮きの指導シリーズ 苦手な子どもたちはここからていねいに指導します
06 顔を水につける
07 もぐる
08 浮く指導
09 浮く指導の小さなステップ
10 ふし浮き
11 けのび
12 けのび微細な指導
水泳指導 息つぎの指導シリーズ 25m完泳しない大半の理由はここにあります
13 息つぎ
14 ボビング
15 連続したボビング
16 浮きと呼吸の連動
17 浮きと息つぎの発展
水泳指導 ストロークとキックの指導シリーズ 協応動作という考えを水泳にも取り入れます
18 キックとストローク
19 ストロークどこを見るか
20 腕に水の抵抗を感じるか
21 キックの練習
22 キックとストロークの連動
23 ブレスをいれた泳ぎ
24 クロールのブレス
水泳指導 目標の25mへの指導シリーズ いよいよゴールへ向けて詰めの指導です
25 完泳への力を蓄える
26 目標25mへ
27 完泳までの道のり
28 酸素摂取能力
水泳指導 まとめシリーズ 学校全体で指導ができると負担軽減・効果倍増なのです
29 保護者への話
30 全校での指導
31 全校での指導系統案