日記指導の小技

教育技術シリーズ

 日記を書いたら、毎回使った漢字の数を書かせることにしていた。
 およそ高学年では、ノート1ページにつき60~70個の漢字が使われていたら、見た目も読みやすく合格である。それ以上使うには、未学習の文字も使わなければならない。

 子どもたちには、漢字指導において「漢字練習はテストで100点を取るためにするのではなく、日常で使えるようにするために行っている。」と何度も話をしてきている。この日記は、まさに漢字を使うに格好の場である。

 ただし、あまり厳しいことは言っていない。あまりに使う数が少ない日が続く場合(例えば、1ページに数個が毎日)は、返事に「漢字を使いましょう。」と書くこともあるくらいだ。あくまでも自分の文章を見た上での目安のために使っている。

 文字のていねいさは、全ての学習において話してきているので、日記でも同じである。
 濃さ、大きさも含めて、日ごろから速く、ていねい、正確を心がけるようにしている。だから先の「全員日記」という取り組みも可能なのである。

 手前みそだが、手を入れずに紹介しても、「判読不能」のような乱れた文字を書く子どもはいない。特性の強い子どももいたが、それでも継続した取り組みで、十分に読める文字や文章を書いてきていた。
 時折、子どもたちも手抜きのために、裏技を使うことがある。漢字の数を数えるのに、適当に水増しをしていたり、なんとなく大きな文字で書いて行数を稼いだり、などなど。

 それも子どもたちの知恵なのかと、気づいていてもしばらくは知らないふりをしていることの方が多かった。
 時折、「そういえばね、この間日記を読んでいたら・・」と思い出したように全員の前で話をしていた。名前は出さないが、裏技の紹介などと言って、面白おかしく話をする。みんなで笑っているのだが、「これはアウトだな」と分かっているようだから、あまり突っ込んだ指導はしていない。

 それでも全体の水準は維持できている。
 一つ一つを叱責するより、いつでもオープンにしている状態の中に置く方が、子どもたちも素直に取り組むようになる。

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