定時退勤で殺伐?いえいえ!

働き方改革

 「時間、時間、と言うと職場が殺伐としてくる。」「コミュニケーションだって大切だ。」 という意見が出されることがある。(なんでも揚げ足を取ろうとする。)
 結論から言えば、そんなことはない。

 時間を大切にすることと、職場の雰囲気は全くと言っていいほど関係がない。
 むしろ時間を大切にする職場の方がコミュニケーションがうまくいくことの方が多い。

 草野球を楽しむ人と、プロ野球のチームとでは、コミュニケーションに差があるかと言えば、関係ないことは誰でもお分かりだろう。ハイレベルな場がギスギスするというのは偏見である。

 欧米の職場は家族を大切にするので、退勤時間は早いと言われるが、代わりに職場が殺伐とするかといわれれば、それは疑問だろう。(私も行ったことはないので知らないが、イメージしにくい。)

 教室での、帰りの会と帰りの用意の時間をイメージする。
 子どもたちは、あの時間を「自由時間」と思っている。だから、放置しておくといくらでもしゃべり続ける。しゃべり続けていながら同時に「早く帰りたい」とも言う。
 「帰りの会も帰りの用意も、授業と同じように公の時間であり、全体の進行を早めることはみんなの努力義務」という話を学年に応じてしていく。

 子どもたちはテキパキと動くようになる。私語も激減する。

 ・・・・・・・これは学級が殺伐とするだろうか。このスキマ時間のコミュニケーションがなければ、子どもたちは話す時間がなくなるだろうか。

 帰りの用意が早く終われば、早く帰ることができる。
 そうすると、帰りに時間が生み出され、子どもたちはおしゃべりがしたければ、帰りに楽しく話して変えることができる。実際にそうしている。
 目的を理解しテキパキ動くことで、その先にもっといいことが待っていると実感できれば、子どもたちはきちんと行動できるようになる。給食の準備も然り。

 ずっとずっと以前、学年で使うものを印刷するとき、学年みんなで印刷に行こうという風潮があった。印刷機は一台なのに。笑
 印刷機が動いているのを待ちながら、みんなで「談笑」していたのである。それが学年の一体感だと思っていたようである。牧歌的だと今さらながら思う。

 今の先生方ならお分かりだろう。
 一人が印刷している間に、他の人は別の仕事を分担して、学年全体で早めに仕事を終わらせればいいのだ。浮いた時間の分だけ、後からゆっくり話もできる。
 仕事を分担して進めた結果、より速く、よりいいものができれば、そこにだって一体感を見出せる。

 (教職ではなく)日本の企業の生産性の低さは、かなり前から指摘されている。それを「風土だ」と言い続けて、改革を先送りしてきた事実もある。
 効率化がむしろコミュニケーションを促進する事例は、むしろよく紹介されている。

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