部下が50人の係長

働き方改革

ここが変だよ、教頭職2

 学校の直属の部下は教頭だけである。

 その下に「主幹教諭」がいて、教諭が児童数に見合った数だけいる。しかし、主幹教諭は教諭の上司にはならないので、教諭の上司は教頭ということになる。

 学校にはこのほかに、養護教諭がいる。また、会計年度任用職員、給食調理業務員、学校用務員、細かく言えばそれぞれの補助員がいたりもする。

 規模の大きな学校であれば、全職員が50人近くになったりする。

 この職員全部が、教頭の部下となる。

 どこの役所を探したら、係長の下に50人もの部下を抱えるような組織があるのだろうか、と不思議に思うのだが。

 さらに学校にはサポートとして来てくれている人もいる。スクールカウンセラーや英語のゲストティーチャー、学校生活支援員などがこれにあたる。

 こうした方々の勤務の管理も基本的に教頭が実務を担当することになる。

 単純に毎日来ているかどうかを確認することは言うまでもなく、それが勤務管理システムに反映しているかどうかも確認が必要である。

 年次休暇等の取得についても確認し、病気休暇や育児休業の場合も、その文書作成も教頭の管轄である。

ゲストティーチャーなどは、教育委員会の所轄ではないので、学校に来た日と出勤簿の確認を行い、しかるべき場所に月一回程度報告をしなければならない。

 勤務評価も仕事の一つである。教諭だけでなく、基本的に職員全部の勤務評価を行うことになる。教頭が一次評価である。年に二度程度、直接面談も行う。

 学校の人事権は教育委員会にある。誰がどこの学校に行くのかは教育委員会が決める。病気休暇や育児休業の認定も教育委員会が行う。その委員会に申請をし、適切な人事配置をお願いするのは校長の仕事である。

 では、教頭は何をするのかと言えば、日常的な勤怠管理が中心となる。まさに、これは単なる事務処理である。何やらいろいろと研修会では言われるが、単純化してものを考えると単なる事務処理であることが分かる。

 かくして教頭の人事管理とは、何を意味するのか、分からなくなる。

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