「人生100年時代」の教師生活

働き方改革

 「人生100年時代」という言葉は、すでに多くの人に知られるようにった。

 しかし、意外に基本文献が読まれていない。
 これである。
 「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」
 リンダ・グラットン アンドリュー・スコット著 東洋経済新報社

 平均寿命がかつてよりもずっと長くなることで、生活のありようが大きく変わるという内容である。
 未来を考える必読の書として、ご紹介したい。

 特に、我が国の平均寿命は世界トップクラスである。
 すでに女性の半分以上が、50歳以上だという。(女性の方が長生きだから。)
 社会のあり方はすでに変化が始まっている。

 これまでは人生のステージは、「教育・仕事・引退」という大きく3つを順々にたどっていくだけが大半であった。
 これが、平均寿命が長くなることで変わっていく。
 著者はそれを「マルチステージ」と呼んでいる。一本の線のような生き方ではなく、個人によってパターンが大きく変わっていくような生き方となる。

 同じ時期に教育を受け、同じ時期に卒業・就職をし、一つの仕事を全うしたら、同じ時期に退職して老後を過ごすのではなく、生き方が一人一人にカスタマイズされていく。

 教育の期間が長くなる人もいるだろう。
 あるいは働いている途中で、学び直す人も出てくることもあるだろう。
 20代で就職したところに、定年までいることが少なくなり、転職したり、起業したりすることが今よりももっと普通になっていくだろう。
 定年後の生活の仕方は、さらに多様になるだろう。

 今でもそうした時代の変化はすでに起こっているが、今よりももっと「ごく当たり前」になっていくはずである。

 教師という仕事も同じく変化していくだろう。
 大学を卒業して、仮にすぐに教師になったとして20歳過ぎからのスタートである。
 そして、今でも再任用を含めれば65歳での定年だが、それが70歳、場合によっては80歳くらいまで働くことになる可能性も出てくる。

 さて、ここで未来予想である。
 教師という仕事を50年間、60年間と一筋に続けていくことについて、どんなイメージをお持ちだろうか。
 続けるかもしれないし、続けないかもしれない。
 いや、続けられるかもしれないが、続けられないかもしれない。

 途中で転職する人も今よりも出てくるだろう。
 起業する人も増えてくるはずだ。(私は今、ここの位置にいることになる。)
 転職や起業の後に再び戻ってくる人もいるだろう。

 あるいは、別の仕事をやっていて途中から教職に来る人もいるだろう。
 大学や大学院で学び直し、また現場に戻ってくる人もいるだろう。

 休職制度がもっと緩やかになれば、人生の充電をして新しい気持ちで再度挑戦する人も出てくるかもしれない。
 公務員も、副業が認められ多様な仕事に就いているかもしれない。
 (私は、そうなる時代が来ると予想している。参照「大胆予想 公務員の副業認可」

 それに我が国は、急激な人口減少が待っている。(すでに始まっているが)
 若年層の減少は、労働環境を大きく変えていく。
 年功序列制度が永遠に続くと思っている人はもうほとんどないのではないか。

 教師の給与体系も変わっていくだろう。

 正確に予言することは難しい。
 しかし、今とは全く違う社会が訪れることは、何となく予想ができる。
 今から30年前には、コンピュータをはじめとした今の社会を予想することはほとんど無理だった。
 これからの30年もまた変わることだけははっきり言えるだろう。

 そうした変化の中にあって、長く生きていくということは、変化に対応していくことを必然的に求められるということである。

 だからこその働き方改革なのである。

 先見の明のある若者がすでにさまざまな動きをしていることは、ネット情報などからも垣間見ることができる。
 日々の仕事に充実していることももちろん大切だが、忙しさにかまけて未来を見ないふりをしていると、気が付いたら自分だけが取り残されるというような状況になる可能性もある。

 5年先、10年先を見て、今の自分のあり方を考え、準備するという姿勢が必要である。
 「自分の足で立つ」「自分の手で未来をつかむ」という言葉が、本当にふさわしい時代が目の前に来ている。

 「今」に忙殺されず、未来を見据えて考え、行動するためのスキル、メンタル、ビジョンをつかむために働き方改革を実行していくのである。

 本ブログの働き方改革シリーズもいよいよ最終ステージである。

教師は誇り高き時代の最先端である
働き方改革最終目標 そして次のステージへ

未来を志向する「教師4.0 起業家教師」をめざして

<おまけ>
 街中で、小さな子どもたちを見かけるたびに、
「この子たちは西暦2100年を見ることができるんだ。」と思うとなんだかそれだけですごいことだと思ってしまう。(笑)
 ちなみに、我が国の平均寿命を考えれば、今の20代もかなりの割合で大丈夫だろう。

 間に合いそうもない私は、単純にそれだけでうらやましい。(笑)
 どんな時代なのか見てみたい。

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