教師のコントロール
ネットワークは、意図して生まれるものではない。さまざまな理由の元で、自然発生的に生まれる。
学級の場合は、席が近い、休み時間に話したり遊んだりした、などが理由になってくるかもしれない。友だちの友だちがつながっていくという場合もあるだろう。
いずれにしても、放置しておいてもそれなりのネットワークは形成される。教師が自分の意図したとおりにネットワークを作ろうと思っても難しいだろう。
人は他人に強制されて、誰かと仲良くなれるものではない。
とはいうものの、放置しておけばネットワークに偏りができる可能性はある。きっかけをつかめない子どももいれば、数名で排他的なグループになってしまう可能性もある。そこは、教師として手を入れていく必要はあるだろう。
やがて成長し、自分からネットワークの形成者になるための準備期間だと考えると、教師の役割は大きい。
教室内のネットワーク形成において、教師ができることはいくらでもある。
まず、座席の指定がある。
子どもたちにとって座席がどこになるか、近くに誰が座っているかは、大切な問題である。これは実際の距離が近いほど、接触する機会が多くなることによる。
また、さまざまなグループ編成、仕事分担、係活動、あるいは特別教室における座席割りなど生活の中で意図的に「小さなネットワーク」を形成させることはいくらでもできる。
休み時間のような自由な時間のネットワークを強制することは難しいし、しない方がいいだろうと考えている。
しかし、こうした学習としての場の中で、ネットワークのきっかけを作ることは十分に可能である。教師の出番はそこにある。学習のようなフォーマルな場での「小さなネットワーク」を次々と作っていくことで、子どもたちのつながりを増やしていく。
それが、新しいネットワークを形成するきっかけになっていく。
学習というフォーマルな場で、子どもたちのネットワークを強化していく。