人口減少と労働力不足

働き方改革

 先日のニュースで、令和3年度の出生数がついに80万人を切る、とあった。
 ここ最近の出生数は、ずっと減少傾向にある。
 生まれてくる子どもの数は、毎年減ってきている。

 政府も減少は予想しているようだが、80万人を切るのは、政府の予想よりも8年も早かったというこだ。
 人口の統計は、ある程度は予想できる。これは日本だけに限らず、世界全体で言えることだ。
 子どもの数が減るということは、そのまま将来の母親と父親の数も減るということである。その数と社会状況などから考えて、一定の出生数を割り出すことができる。

 今回の数が予想よりも下回ったのは、コロナが原因ともいわれているが、正確なところは不明だ。
 予想よりも少ないということは、20数年後の子どもの数はさらに減ることが予想される。

 過去の一番出生数が多かったのは1949年で約270万人である。今の3.5倍弱。
 2000年生まれの人でも119万人である。その後も多少の上下はあるとはいえ、ずっと減り続けている。

 生まれてくる子どもの数が減ると聞くと、学校に来る子どもの数が少なくなるとイメージしがちであるが、それだけではない。そのまま未来の働く人が減っていくことを示している。
 つまり、今の日本では新しく働く人はこれからもどんどん減っていくことは、もう分かりきっていることなのである。

 教師を希望する人が減っていると聞く。
 いろいろと理由はあるだろう。しかし、その一つに、働く人の絶対数が少なくなっていくことは、頭に入れておいた方がいい。

 どの業種でも、人手不足に対応するためにさまざまな対策を打っていくだろう。すでに、今からとりくんでいるところもあるだろう。
 AIや外国人労働者、高齢者の再任用などなどさまざまな対応があるだろうが、それでも毎年毎年確実に減っていくのでから、対策も終わることはないだろう。

 それはどの業種にとっても死活問題なのである。
 その中にあっての教師希望者の不足である。
 教師という仕事に魅力を感じなくなったという話もあるだろうが、こうなることは行政的には分かっていたはずである。
 今まで教師の仕事に対する使命感に、教育行政が甘えてきたのだと私は思っている。

 給料を上げずとも、残業代を出さずとも、劣悪な労働環境になろうとも、教師になりたいと思う若者の数は減りはしないだろうと思っていたのではないか。

 しかし、これからは「そもそもの働く人の数」が減っていくのである。
 社会全体で若者の取り合いになる。今でもなりつつある。
 他の業種に負けないくらいの魅力を打ち出し、待遇改善や社会的な立ち位置の向上などを考えていかなければ、ますます「選んでもらえない仕事」になっていくことは、自明の理である。

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