学年帝国

働き方改革

 教師が教室で大人一人であることをいいことに、自分で何もかも勝手に決めてしまうような状態を「学級王国」と揶揄されることがあった。

 しかし、さらに上を行く状態がしばしばみられるようになった。
 学年主任になった人が、自分の学級のやり方やルールをそっくり同学年に強要するのである。授業の進め方、使うプリント、教室の掲示、何から何までそろえるようにと強要する。
 私はこれを「学年帝国」と呼んでいました。(笑)

 お若い方や初めてのその学年をもった方が、不安だから同じことをしたい、というのであれば話は分かる。
 残念ながら、それぞれが力量のある教師のチームでありながら、一つの方法に強制されているのは何とももったいない話である。

 「足並みがそろわないと、保護者からのクレームが来る」というのがもっともらしい理由なのだろうが、きっと真の理由はそれではない。クレームが心配なら、心配する人の方が合わせればいいだけの話だからだ。

 さて、この「学年帝国」だが、実はそろえるということはコスパが悪い面が多々出てくる。仕事の仕方にもそれぞれのペースがあり、段取りも違うはずだ。同じことをしようと思えば、打ち合わせも必要になる。調整も必要になる。遅い人を待たなければならないこともあるだろう。
 そうしたことが積もり積もって、仕事の進行を遅らせている事実がかなりある。

 中でも最もやってはいけないのが、勤務時間を超えた学年の打ち合わせである。

 学年主任がもともと仕事が遅くて、段取りが悪いと、6時や7時に平気で「今から打ち合わせをしよう」と言い出すことがある。
 資料も原案もなく、「どうする?」から始まる打ち合わせも最悪である。それで若手の意見が通るならともかく、結局学年主任の思うとおりにするなら、初めから相談など無駄なだけである。

 学年で取り組むような仕事の場合、この学年の打ち合わせの後に個人の仕事の時間がやってくることになる。特に学年で足並みをそろえることを強制される場合は、事後の仕事が一気に増える。定時に帰ろうなど無理な話となる。

 やろうと思えば時間内にできるのに、時間外に学年の打ち合わせする人は学年主任になってはいけないと思っている。

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