「ねばならない」

働き方改革

 仕事には次のような選択肢があると思っている。

しなければならない。
した方がいい。 
してもいい。 
しなくてもいい。
しない方がいい。 
してはいけない。

 以前に「遠足のおやつを廃止しよう」という議論をしたことがある。
 ちなみに、地元では給食費から代金を出して、一括して同じおやつを購入する方法である。
 私が教務主任として廃止の提案をしたのだが、職員からは猛反対だった。

 この時の議論の中で、賛成派の意見は「遠足におやつはあってもいいではないか。」あるいは「遠足におやつはあった方がいい。」という論調だった。

 遠足でおやつがないと困るから、つけるべきだという主旨の意見は出てこなかった。

 「してもいい。」という意見はそのまま「しなくてもいい。」と同義である。どちらでもいいのだからやめてもいい。
 「おやつはあった方がいい。」という意見は「子どもが楽しみにしている。」という意見だった。
 なんとも心許ない根拠である。
 ちなみにその前に赴任していた学校は、おやつがなかったのだが、6年間ないままでいると、子どもたちもすっかり慣れてしまい、誰も何も言わなくなる。

 私が廃止の提案をしたのは、なくても何も困らないものをわざわざ準備する必要はないという論点からである。(読者諸氏はいかがお考えだろうか。)

 当時、極度の小麦アレルギーの子がいた。
 おやつは遠足前日に各教室で配られ、保護者のチェックの元で、アレルギーに関わるおやつは予め除去するようにお願いをしていた。
 それでも当日に持ってこないとも限りらない。友だちからビスケット1枚もらうかもしれない。学校がおやつを準備することがリスクの一因となっている。
 また、甘いものを食べさせないとか、保護者によっては考え方もいろいろある。
 当日に立ち歩いておやつを食べ、マナーが悪く、ごみを散らかす可能性もある。

 「非日常を楽しむ」という以外に、おやつを準備する必要性が見つからない。

 この議論は1度目は、廃案になったのだが、その後小麦アレルギーの子どもが入学してきたときに再度提案して通過した。

 「あってもいい」という程度の根拠で未だに学校に残っているものがまだたくさんある。

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