思い出は「作るもの」ではない

子どもへの言葉

 修学旅行に行くときに「たくさんの思い出を作りたい」という人がいます。
 先生は少し違う考えを持っています。

 思い出とは後になってから振り返るものですよね。
 後から振り返って楽しかったと思い出すために、修学旅行に行くわけではありません。
 その時にたくさんのことを学び、感じ、経験して、友だちとも楽しく過ごす、その時の瞬間を過ごすために修学旅行にいくのです。

 思い出は作るものではありません。結果として残るものです。思い出として残るものになるかどうかは、やってみなければ分かりません。

 では、思い出にするためにはどうしたらいいのでしょう。
 それは、その時その時にするべきことをして、過ごしている時間を大切にするのです。

 修学旅行に行ったのに、見学したものも見ないで、教室の時と同じように芸能人の話ばかりしていたとか、せっかく新しい友だちとグループになったのに、少しも話そうとしないとか、ホテルの食事はいつもと違うのに、苦手そうだから食べないとか、・・・

 新しい経験ができるときに、それに向かってチャレンジしていかないと、心が動かないのです。
 そうすると脳の中には、記憶が残りません。思い出にならないのです。

 実行委員になっている人は、すでにいろいろと頑張ってくれているのでそのことが思い出になるかもしれません。
 ほかの人も修学旅行に行ったら、そこでしか経験できないことに積極的に向かっていってほしいと思います。

 たくさん見て、たくさん聞いて、たくさん記録を残して、旅のことで友だちと話して、新しい友だちとも話して、ご飯もたくさん食べて、お風呂も楽しんで、ホテルの人に挨拶したり、お世話になった人に話しかけたりして、そうやって同じ時間を過ごしてもたくさんの経験ができると、結果として思い出ができるようになるのです。

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