清掃指導(ほうきの使い方)

教育技術シリーズ

 子どもたちにほうきを使わせると、一つのごみだけを見て、それを集めるべき場所へもっていこうとする。
 だから、きれいになる場所にムラが生じる。また、目立ったごみがない場合は、ただほうきを左右に振っているだけになる。結果として、ごみが行ったり来たりしているだけである。

 「ペンキを塗るようにほうきを動かしなさい。」

という指示が、まず原則となる。

 ごみを集めるべき場所から最も遠くの場所が起点となる。一度教師がやってみる。
 そこから、透明のペンキを塗っていくようにほうきを動かす。

 「今、どこまで透明ペンキを塗りましたか。」

 子どもたちが「ここからここまで」と指さすだろう。

 「そこは今、もう見えないゴミもなくなった場所です。では、ごみはどこにありますか。」

 子どもたちは、ほうきが動いた端を指さす。

 「そこからまたペンキを塗ります。」

 と言ってほうきを動かし、またどこまで透明目ペンキが塗れたかを確認させる。これをごみを集める場所まで繰り返す。
 やがて、ごみが集まり見えてくる。今まで見えてなかったけれども、実はこれだけあったんだということに気づかせていく。

 実際に子どもにさせてみると、ほうきを当てた場所に隙間ができたりする。見えているごみに意識が行ってしまうのだ。その時には「ペンキに隙間ができているよ」と伝える。

 ほうきの使い方は、ごみを集めるのではなく、ごみのない場所を広げていくことに意識を向けさせていくという逆転の視点である。

清掃指導ラインナップ
 一から十まで教える清掃指導
 目標を明確にする清掃指導
 本末転倒の清掃指導
 清掃指導(ほうきの使い方)
 清掃指導(ぞうきんの使い方)
 清掃指導(安全な机移動)
 清掃指導(机移動の段取り)
 清掃指導(廊下掃除の段取り)
 清掃指導(教室掃除の段取り)
 清掃指導(除草作業と外掃除)

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