社会のテストの解き方

教育技術シリーズ

 社会のテストの表側の右半分は「資料活用」の内容になっている。

 テストの中に読み取るべき資料が入っている。子どもたちは、その中のどの資料を選べばいいかを判断し、読み取って答えを決める。

 つまりこの右半分には、事前に覚えておかなければならないことは、一つもないということになる。
 さらに言えば、資料さえ読み取れるのなら、事前に授業をしていなくても解ける問題ということも言える。

 子どもたちに話す。

「右側は、資料から答えを見つける問題です。つまり、絶対にこの中に答えがある、ということです。
 ですから『分かりません』はありません。『見つかりません』なのです。
 しかし『見つかりません』と質問されても『あるから探してください』というしかありません。」

と突き放す。

 子どもたちも何枚もテストをしていくうちに、要領を得てくる。そのころになるとさらに詰めていく。テストやっている最中に一言話をする。

「この答えを書いた根拠はどの資料なのか、後から聞きますよ」

 子どもたちの中には、テストとは記憶の中から、答えをたぐりよせるものと思い込んでいる子がかなりの割合でいる。だからこのような目の前の資料を見て解く問題なのに、あいまいな記憶から答えをかこうとする。
「答えは思い出すものではなく、見つけるものだ」と教えることによって、資料をきちんと読むようになる。

 中にひねった問題が時折ある。

「次の中から、資料を読んで分かるものを2つ選びなさい。」

 4つ選択肢がある。2つが正解である。資料のどこかを見れば示されている。
 残りの1つは明らかに間違い。だから資料の中にも見つからない。
 しかし、最後の1つの選択肢は単元で学習している内容なので、正しい情報なのだが、示された資料の中にはない。
 いい問題だと思う。問いが「資料を読んで分かるもの」とある。この問いに正対しているかどうかと問うているのだ。

 世の中には、こういうパターンの事例はいくらでもある。
 「あなたの記憶を聞いているのではなく、証拠を見せてください。」
ということなのだ。

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