進学1

現代教育論

 中学三年生の時、当時の自分は地区の中でもっとも学力が高いと言われていた高校を希望していた。友だちとも一緒にがんばろうと声をかけ合っていた。

 しかし、いよいよ願書を出す頃の模試が、思った以上に伸びなかった。

 三者面談でも、通るかもしれないし、落ちるかもしれない、と言われた。

 我が家は母子家庭なので、金銭的には決して裕福ではなかった。三者面談の後、家で母から私立は無理だと言われた。

 泣いたことを覚えている。

 次の日には、担任に志望校を変更することを伝えた。友だちには言えずじまいだった。

 希望校は一校しか考えておらず、他は何も知らなかったので、次に近そうなところを伝えたら、担任の先生から「行くなら〇〇高校がいい」といわゆる当時2番目だった高校を指名され、その場で決めた。そこは家からものすごく遠い学校である。

 私立も割と学力が高いところを選び、合格した。その時に、合わせて「特進クラス」の通知も来ていた。授業料免除にでもなるのかと思ったがそうではなかった。

 公立高校直前の模試は、志望変更した高校の登録をする。その学校を選んだ人の順位を出すためである。合格人数450人のうち8番だった。

 いよいよ公立入試前日。体育館に3年生全員が集まり、その後受験する学校ごとに集まり連絡会となった。私は変更した学校の集まりに移動する。一緒にがんばろうと言っていた友だちが、それを呆然と見ていたのを今でも思い出す。その後、どうして志望校を変えたのかと詰め寄られたが、何も言えなかった。

 金があればチャレンジできたかもしれない、と当時は思った。仮に落ちても私立の特進に行けば、あるいはもっと勉強ができるかもしれないと思った。

 その選択肢を選べなかった自分の境遇に悔しい思いをした。

 結果としては悔いのない日々を今も過ごしているのでいいのだが、中学三年の当時の自分に何ができたのだろうかと思う。

 もっと勉強しておけばよかったって?まあ、それは確かにそうだが。(笑)

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