学校に関係のない表彰

現代教育論

 以前から比べるとずい分少なくなってきたが、学校で子どもが表彰されることに疑問を持っている。
 全てではない。おかしいなと思うものがいくつかあるということだ。

 まずは皆勤賞。さすがに今は減っているかと思ったが、地元では中学校で9年間の皆勤賞を出すようだ。小学校にも出席状況の調査が来ることがある。

 学校を全く休まなかったということが賞状をもらうほどのことなのかというのが、第一の疑問である。風邪くらい引くだろう。風邪をひいたら休むに決まっているだろう。こじらせてひどくなるだろうし、他人にうつすよりも、休む方がいい。

 最近の皆勤賞は忌引きや出席停止はカウントせず、いわゆる病欠や事情欠のみをカウントするらしい。法令で決まっているとはいえ、風邪で休んだら皆勤賞は逃すけれど、インフルエンザならば大丈夫というのも、子どもの立場から言えばおかしな話だ。

 もっとも今はコロナのせいで、出席の概念そのものが大きく揺れているため、こんな話にならないだろうが。

 次に虫歯ゼロ。これも今はあまり聞かないが、以前の学校では全校で表彰されていた。
 虫歯は単に歯を磨けば、みななくなるわけではない。体質もある。全く磨かなくても虫歯にならない人は現実にいる。聞くところによると、虫歯は体質と食べ物と歯磨きの三つの要因で防ぐことができるそうだ。
 一体、何を表彰するのだろう。体質に関連するものを学校が全児童の前で表彰するのだろうか。だとしたら、高身長の子どもも表彰するのかという論理になる。

 毛筆の作品展も同じである。とある大きな毛筆の作品展には1年生も出展ができる。道具を持っていて書きさえすれば応募はできるだろうが、入選作品は明らかに習っている子どものものである。

 学校では3年生からしか習わない毛筆について、なぜ家庭教育の成果であるお習字の作品を学校経由で出させるのだろうか。

 最近こうした表彰そのものを見なくなったのだが、子どもが評価されるのだからと無条件で喜ぶのはおかしい。
 なぜなら、学校にいる全ての子どもに等しく挑戦できる権利がないからである。子どもが努力のしようもないものを見せる意味とは何か未だに分からない。

現代教育を斬る indexへ

タイトルとURLをコピーしました