研究授業14 指導要領の「解釈」

学校システム

研究授業の準備 指導要領を読む2

 指導要領の読み方の続き。
 該当する教科の目標が読めたら、次は学年の目標を読む。
 1学年ずつの目標になっている場合もあれば、2学年ずつの場合もある。

 いずれにしても、全学年を読むことをお勧めする。
 全学年を読んで、その違いに着目する。文の組み立ては、全学年を通してほとんど同じである。
 しかし、学年が上がるごとに少しずつ表記が違う。

 その学年ごとの違いこそが、学年の特徴にあたるのである。

 このさぎょうによって、前の学年までにできているはずのことを理解し、その上で今の学年でするべきことを明らかにする。さらに上の学年に何を引き継いでもらえればいいのかを読み取る。
 これで系統がおよそつかめる。
 あくまでも「およそ」である。しかし、それでいい。
 指導要領そのものが、あえてそう書いてあるからだ。言葉に意味づけをするのは、読み手である教師の解釈でいいのだ。

 これは、法律と同じと考えていい。
 法律とは、書いてあることは守らなければならない。しかし、書いていないことは自由に判断していいという原則がある。
 だから、法律には「解釈」という作業が付きまとう。弁護士がいて、法学者がいるのも、そのためである。社会や個人の状況に応じて、読み方が変わるのだ。

 指導要領も大きくは法体系の一部ですから、書いてあることを理解しつつも、その解釈は読み手にゆだねられると考えていい。
 指導要領から逸脱しているのでない限り、その解釈の権利と具体的な指導の権利は、読み手つまり、授業者にあると考えてもらっても問題はない。

 こうしてみると、研究授業だけでなく、日ごろの授業がいかにさまざまなしがらみに縛られているかが分かる。
 授業の進め方についていえば、文部科学省の方がはるかに自由度が高い。
「授業はこうあるべきだ。」とローカルルールを押し付けているのは、文部科学省ではなく別の存在である。

 

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