研究授業15 指導要領の「総則」読むべし

学校システム

 研究授業の準備 指導要領を読む3

 せっかくですから、もう少し指導要領を読みましょう。(笑)

 教科が読めたら、次は「総則」である。ぜひここまで踏み込んでほしい。
 現行の指導要領は、前回のものより少し「総則」が長い。それだけ学校教育のあり方について示唆が増えている。

 まずはざっとでいいですから、読んでみていただきたい。読みながら、自分の授業や学校の現場と比較してみてほしい。この視点が大切が「肝」である。

 そこには、これからの学校教育のあり方について、指針が示されている。
 今できていることもあれば、知りもしなかったこともあるだろう。ここに示されていることを全て具体化するのは、正直難しいなと感じることが多いと思う。(自分がそうだった。)

 しかし、理念がどこにあるのかは知っておいて損はない。
 「総則」とは、学校教育全体への示唆であり、教科を超え、学年を超え、学校教育であるならば等しく目指してほしい方向性である。
 ですから、教科の学習を進める上でも、ここに示されている理念は無視できない。
 「総則」の基盤の上に、教科が乗っていると考えてもらっていいくらいだ。

 また、現行の指導要領には「前文」がある。
 これは、今までの指導要領にはなかった。それをわざわざ書き起こすくらいですから、そこに文部科学省の気合が見えてくる。

 小学校の現行指導要領が実施されるときに、折悪くコロナ騒動も始まった。「主体的・対話的で深い学び」を具体化する前に、コロナ対策に追われる日々となってしまった。
 しかし、ここに示されている教育の方向性は、変わってはいない。「コロナだから指導要領の移行は延期」にはなっているわけではない。

 そこに示された理念や目標、内容は、教科書にはすでに反映され、教材会社もそれを踏まえて教材を販売している。
 現場の教師だけが「忙しい」と言ってスルーしていても、その土台の上に乗って日々の授業が進んでいる。
 指導要領を読むことは、自分を取り巻く現場の環境を、少し遠目で見る訓練にもなる。

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