研究授業16 指導要領「改訂の主旨」

学校システム

 指導要領の「改訂の主旨」

 さらに指導要領を読むなら、「改訂の主旨」を読むと流れが速くわかる。
 ここには、文字通り前回の指導要領と、今回のものとの変更点が示されている。

 つまり、今の指導要領の特徴を知るなら、「改訂の主旨」が中心となる。
 戦後、何度も改訂を繰り返してきた指導要領だが、その改訂には時代に対応しようとした苦労が読み取れる。もちろん、賛否はあったが、それも含めた時代の流れである。

 戦後の指導要領をすべて読むとものすごく時間がかかりるので、それは別の日に置くとして、研究授業のための一つの材料としてざっと「改訂の主旨」を読むことをお勧めする。
 また、ネット上にも「指導要領 新旧対応表」が出ている。これを見れば、新しく変わった部分が一目瞭然であり、そこが改訂の目玉だともいえる。

 これを、ご自分が授業をする教科や単元を中心について、調べてみるといい。
 もし新しい変更があっているのにも関わらず、旧の目標や内容の資料を使っていたら、授業の方向性がちぐはぐになる可能性がある。

 反対に、ここまで読んでおけば、基本的に誰から何を言われても筋は通すことになる。
「指導要領に書いてありますから。」と言える。

 指導要領について最後に一つ。
 指導要領には各教科などにそれぞれ「解説」がついている。別冊で販売もされている。

 この「解説」は、文部科学省が出した学習指導要領に、文部科学省自身が解釈を加えたものである。

 先にも述べたが、学校教育で守るべきは指導要領「そのもの」であり、解説ではない。
 解説については、本来なら何種類もあっていい。個人解釈で解説を出版するのも(やろうと思えば)「あり」なのだ。

 実際は、それを丹念にするほどの時間的な余裕もない。それは、研究者の仕事であるともいえる。
 それでも、自分たちの仕事が、どういう位置づけの中にあるのかを知っておくことは、とても大切だと考えるし、自分自身もぶれなくて済む。

 我々は、好むと好まざるとにかかわらず、そうした大きな体系の中の一つの学校の一人の教師として存在している。
 そして、その教師は従うべきところと、裁量の自由の二つの面を与えられているところがある。
 守るべきところは守りつつ、主張すべきことは主張できるのである。 

 今回はあえて内容に踏み込まず、枠組みを示しましたが、お一人お一人が、ご自分の「解釈」をつかむことを願っております。

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