避難訓練の欠陥

学校システム

避難訓練の欠陥

 多くの学校では遅くとも春休みのうちに年度の方針を検討していくだろう。
 その検討事項の一つに、「避難訓練計画」もあるだろう。

 この避難訓練は「火事・地震」「不審者対応」などいくつか種類があり、年に数回行っていることだろうと思う。
 地元福岡では、年に3回の避難訓練が定番であるが、地方によっては地震が多かったりするので、月に一回程度実施されているという話も聞いたことがある。

 この避難訓練について、欠陥に気づいた。

 不審者対応避難訓練の場合、子どもたちの動きはほとんどない。教室で待機をしていて、場合によっては落ち着いてから体育館に集合して話を聞くくらいである。

 この不審者対策避難訓練は教師の動きがどうなるかを決めておくのが一番重要である。
 例えば、毎年学級担任は入れ替わるので、何階に男性職員がどの教室にいるかなどは変わってくる。
 それによって動きが変わる。

 また、不審者対応の場合、校内のインターフォンを使い「隠語」で情報を伝達することをやっていた。
 そのために各教室からインターフォンを使って一斉放送ができるかどうかの動作確認をやっていたのだが、それは訓練の直前、時期で言えば新年度から数か月経過してからだ。

 こうした職員の動きや機器の動作確認は、春休みのうちにやっておくべきである。
 不審者が避難訓練までの間、来ないとは限らない。
 それまでの間、事実上何の対応も取られていなかったとなれば、それこそ学校の対応を問われかねない。

 新しい教室配置が決まり、自動的に各教職員の配置も決まってくる。
 そのメンバー構成のうえで今年はどのような動きをするのかを、子どもたちが来る前に確認しておくべきではないだろうか。

 きっと危機管理の高い地域や学校では、すでにやっていることだろうと思う。
 勤務していた地元は、正直言えばそのあたりがぬるかった。

 よく考えると、避難訓練計画の提案の前に、本当の避難計画が提案されるべきであったはずだ。
 避難計画が検討される前に(いや、検討されないのに)訓練の計画が検討され、実施されていくから、どうしても「訓練のための動き」となり本番を意識しにくい。

 危機管理は年度当初、子どもたちが学校に来る前に、(30分でもいいから)職員だけで動きや配置を確認しておくべきである。

 会議よりもその方が重要かもしれない。

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