初任者と組んで1000回は教室を見た
初任者と組んだ時の話である。
タイトル通り、隣にある初任者の学級を一年間で1000回は見たと思う。
正確に数を数えたわけではない。
しかし、一日5回はのぞいていたので、年間200日だとすれば、1000回になるだろうということである。
1日に5回というと、ものすごい数のようだが、きちんとした授業参観ではない。
廊下越しに授業風景を眺めていたり、時折後ろから入って、子どもたちの様子を見たりしていた。
本当にちらっと見て、すぐに戻るような感じである。あんまり眺めていると初任者もプレッシャーである。(笑)
それらを全部含めると5回程度である。
それでも5回は多いと思う方もいるかもしれない。
実は、やってみようと思えば意外に回数は稼げるものである。
朝の会は、健康観察以外は読書などをやっていたので、ここに隙間時間ができる。
帰りは、子どもたちが帰りの用意をしているときに、隙間時間ができる。
給食の準備の時には、エプロンを着た当番が廊下で並ぶことにしていたので、子どもたちを待ちながら、隣を見ることができる。
5分休みや昼休みなどには、廊下に出て子どもたちと雑談をしたりすると、自然と隣の子どもたちとも話ができる。
これは自分の学級の子どもたちの様子も一緒に見ることができるので、実は一挙両得である。ちなみに、私は昼休みに日記の返事などを書くときに、わざわざ廊下に座り込んで(お行儀はよくない。)見ていたことがある。
通りすがりの子どもたちが「先生、何してるんですか。」とよく声をかけてくれていた。
廊下にいると、トイレに集団で行こうとする子どもや、内緒話をしている子どもの様子もよく見える。
授業中も、時間はできる。
子どもたちが、視写したり、作文を書いたり、など一人で作業をしている時間などに、ふっと教室を出て隣を窓越しに見る。
時間にして、20秒もないだろう。すぐに教室にもどればいい。
私は授業で子どもたちが独りあるいはグループで活動させることが多かったので、この時間は意外にも確保できた。
このほかにも、職員室に忘れ物を取りに行くときにちょっと見るなどの方法もある。
図工などの活動の場合は、予め「見に行くよ」と伝えておいて、子どもの活動の様子を見ることもできる。
その場で子どもに指導をしたり、放課後に話をしたりすることもできる。
結論を言えば、じっくり見るよりも、こうして回数を稼ぐ方が学級の様子がよく分かる。
回数が多いと、いつもと違う雰囲気の時には何となくわかるようになる。
私は、他の学級を見るときには、子どもたちがどんな様子で教師の話を聞いているかを見ることが多い。
下を向いていた李、後ろを向いている子どもがいるのに、平気で話をしている教師がいたりする。
教師が話をしているときに全員が腰骨を立てて微動だにせず聞いている学級もある。(これがいいかどうかは別問題。)
いい学級は、子どもがやや前のめりになって話を聞いている。しかも、笑顔で話を聞いている場合が多い。つまりは「自然と耳を傾けている」状態なのである。
これは、廊下を歩きながらちらっと見るだけでも分かる。
その感覚で、初任者も学級も見れば、おおよその雰囲気だけでもつかむことは可能だ。
これを実践するためには、四月の段階で必ず初任者の学級の隣にしてもらうことである。
しかも、後ろからのぞいたり、教室に入ることができるような、位置関係がいい。
何組がいいかを決めるときには、それを管理職にも伝え決めてもらうといい。
学年主任シリーズ 意外に語られてこなかったことに独断と偏見で切り込みます
01 先の見通しが第一の仕事
02 勤務時間は厳守!
03 やってはいけない打ち合わせ
04 チームでの合意形成の方法
05 初任者の教室を1000回見た
06 高段の芸「評価基準」
07 新しいことに挑戦しよう
08 時数計算は決して粗末にしない
09 そろえることより説明責任
10 仕事の任せ方