モノを持たない(職員室編)

働き方改革

 例えばちょっとした工夫で毎日5分短縮できたとする。
 年間で教師が学校に来るのはおよそ250日くらい。毎日5分短縮できれば、それだけで単純計算で1250分、つまり22時間程度の節約となる。勤務時間3日分弱である。
 毎日10分短縮できれば2500分、40時間強の節約。勤務時間5日分程度である。

 あるいは、毎日10分短縮できるなら一週間で50分。単純計算だが、毎週1時間は早く帰ることができる計算にななる。

 時間節約の取り組みは、ICTや人を増やすことなど大がかりなこともあるが、身の回りの小さなことからでもできることもある。むしろ、自分のスタイルに合っている分だけ、身の回りから始める方がいいとすら考えている。

 5分短縮の方法もいろいろあるが、今回は一つ紹介する。

 職員室の机の引き出しには、ペン(シャープペンシルや鉛筆も含めて)が何本入っていますか。

 これに明確に答えられる人は、整理整頓がかなりできている人らしい。
 ペンだけではない。定規、ステープラー、ノリ、テープなどなど全てについて言える。
 多くの人が、ペンの数を正確に言うことができない。(笑)

 つまり、自分の机の引き出しですら、意識の管理下に入っていないのだ。
 ペンの数が分かったとする。

 では、なぜその本数なのですか。

 3本なら3本の理由を述べよ・・と言われて、これが答えられるなら、もう十分である。
 多くの人は明確な根拠もなく、モノを所持している。

 総数も把握しないで、モノを入れておくと管理もできなくなる。
 念のためだと入れておいたにも関わらず、いざという時に見つからないこともしばしば起こる。

 そして、記憶にないものは結局使わない。

 ペンや消しゴムなど文房具を探す時間が限りなく0にする。
 これは探す時間の短縮だけでなく、ものを考えるときに思考が途切れないという点でも効果がある。

 文房具をすぐに出す方法は効果的な方法は一つである。ぎりぎりの数まで処分することである。 
 同じ種類のペンを何本も持つ必要はない。向こう一年使わない文房具はこれからも使わない。もしものために取っておく必要もない。

 私も以前に「念のため」と称して引き出しに多量の文房具を置いていた。しかし、あるときふと気づいた。学校には事務室がある。事務室は巨大な引き出しだと思えばいい。
 常時使うもの以外は、全て事務室に返した。
 ステープラーの針、マジックペン、輪ゴム、数個だけある画鋲、カラーのビニールテープなどなど。はさみも数本あった。
 考え方を変えたら、いらないものだらけだった。必要なら事務室に行けばいいのだから。

 ちなみに、事務室に返したものだが、その後必要だったものはほどんどなかった。(笑)
 思い出せば、片付けたものの大半は、何年も使わずに入れたままのものだった。

 必要なものが引き出しを開けてすぐに出せる状態。これだけでも毎回かなりのストレスがなくなる。
 物を探す時間が減るだけでなく、作業中の思考が途切れなくなるので、作業効率もよくなる。

 気が付かないうちに、5分、10分の時間を生み出すことになっている。

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