挙手による発表はいらない

教育技術シリーズ

挙手による発表はいらない

 教師が発問をすると、子どもたちが勢いよく手を挙げる。
 教師は、その中の一人を指名し、子どもが発表をする・・・・
 古くからある典型的な学校のイメージである。

 保護者の中にも、我が子が手を挙げるかどうかを気にしている方がいる。手を挙げないのはおとなしいのか、あるいは学習にやる気がないのかと心配している。

 結論を言えば、挙手による発表はいらない。もっとはっきり言えば、教師はしない方がいい。

 低学年のうちは、子どもたちもよく手を挙げる。指名してほしいという気持ちがあふれている。
 やがて少しずつ手を挙げなくなる。
 高学年ではかなりの割合で挙げない子どもたちが増えてくる。

 中学生や高校生が、小学校の低学年のように挙手をする姿はイメージしにくいだろう。つまり、それが自然であるからだ。

 小学校では、低学年のイメージをひきずるのか、高学年でも手を挙げることをつい求めてしまう。実際に高学年になってもよく手を挙げる子どももいるし、よく手を挙げる学級もある。

 しかし、挙手した子どもを指名するという構造は、発言するかどうかの選択権が子どもに委ねられていることになる。

 すなわち、子どもにしてみれば手を挙げなければ、指名される心配がなくなる。
 これにより中学年以上の一部の学級では、著しく子どもたちが集中力を欠いている。

 教師が授業の中でノートのチェックもしなければ、指名もしない。子どもたちは座っておくだけでいい。
 授業の妨害さえしなければ、何にもしなくても叱られないことすらある。

 低学年までは手を挙げる子どもの方が多かったので、教師に選択権があった(ように見えた)が、学年が上がるごとに挙手しなくなると授業が進まなくなる。

 やがては、教師の方がお願いをして発表してもらうような形になってしまう。

 「誰か発表してくれるかな。」という問いかけをして、しばらく待つ。
 誰も手を挙げない。

 そのうち、いつもの子が教師に気を遣って手を挙げる。教師は救われた気持ちで、その子を指名して授業が進む。

 挙手に関わらず、教師が指名をするという方法にしておけば問題は解決する。

 4月からである。 対策は次へ「挙手に依存しない授業づくり1 列指名」

新・教育技術シリーズindex へ

タイトルとURLをコピーしました