算数指導16立体模型

教育技術シリーズ

立体模型を作らせる

 6年生の算数に「立体」がある。角柱や円柱の学習である。

 この学習では、時間をやりくりして実際に立体模型を作らせていた。教科書にも展開図を書かせる内容はある。

 それを行ったのとは別に、何種類も作らせる。四角柱、三角柱、六角柱、円柱、時間に余裕があれば五角柱も作らせた。

 それも方眼用紙ではなく、画用紙である。何もないところに線を引いて作らせるから勉強になるのだ。間違えれば、また作り直せばいい。

 大きさだけを指定する。あとは、先に学習した展開図をもとに考えさせる。

 いつもなら静かな中で授業が進むのだが、このときは少々のおしゃべりは見て見ぬふりをしておく。互いに見あったり教えあったりする場を通して、子どもたちが学ぶことが多いからである。

 こういう活動がとても得意な子どもが数名はいる。ものすごい勢いで全部作ってしまう。それもていねいだ。

 あっという間に完成した子どもには、自分で好きな大きさのものを作っていいことと、友だちから助けを求められたら、助言することをお願いしておく。

 教師は時折チェックしていくだけである。1個もできないのはもったいないので、時間を見ながら進捗状況の確認をし、教師がサポートしたり、先に完成した子どもたちに助言をお願いすることで、最低3個は完成するように全体の調整をする。

 「のりしろ」を入れておきなさい、と指示をしておく。展開図にはのりしろはない。しかし、のりしろを考えるためには、どの辺が接するかを考えざるを得なくなる。

 やがて図が完成し、切り取る。その段階で初めて失敗に気づく子どもがいる。それはそれで、どこの長さがずれているのか、どうすればよかったのかを考えるきっかけになる。時間があれば、修正させてもいい。

 そして、最終的にはのり付けさせないで持たせておく。教科書に挟ませてもおいてもいい。

 のり付けすると、もう展開図には戻せない。広げたままにしておくと、後から見たときにそれが立体に変化するプロセスを何度も自分で確かめられる。

 この活動は、時間をかけるだけの値打ちがあると今でも思っている。

 

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