テストの解き方・最低限の知識

教育技術シリーズ

 6年生の学習「水溶液の性質」の学習には、「水溶液の性質とリトマス紙」の色の関係が出てくる。 酸性ならば、リトマス紙の色は赤色になる、という内容である。

 この単元の中であれば、この程度の知識は最低限身につけなくてはいけない基礎的な内容である。

 一つの単元の中で、仮に10個覚えておくとしたら、あるいはそれが5個なら、3個ならと絞り込んでいく。理科の学習では、覚えておかなければならないような知識は、それほど多くはない。

 こうして覚えるべき内容を吟味していったときに、ぎりぎり最低限を決めるとすれば、何が重要であるかという判断ができる。

 先のリトマス紙の色については、これを知っていなければ、単元を通して水溶液を調べることもできなかっただろうし、謎の水溶液を特定するというような思考力を求められるような問題を解くこともできない。

 学習が終わった後に、これを覚えていないのであれば、一体単元の学習を進めている間に何を学んでいたのかということにもある。

 それはもちろん、教師に責任がある。

 授業の中で繰り返し扱い、子どもたちに定着させていくような工夫が足りていないから、身につけるべき知識と雑多な知識が、頭の中で混在している。

 そう考えると、理科テストの知識・技能の項目は、それなりに最低限の内容を取り上げていることが多い。教師自身が、教材研究をしても知識の軽重が分からない場合は、事前にテストの内容を見て確認しておくといい。

 そして、はっきりと「これは大切な用語ですから、頭に入れておきなさい」くらいの宣言はしておいた方がいい。

 塾に行く子どもはこうした知識の軽重もきちんと分かっている。だから、覚えるべきこととそうでないことの判断もできている(場合が多い)。学校の教師も一つ踏み込んで教材研究をするだけで、塾に肩を並べるくらいの授業はできるのである。

 

 こうした考え方を「教えこみ」と批判する人がいる。子どもたちにしてみれば、何が大切かを教えてもらえる方が目標が明確になり、すっきりと学習ができるのである。淡々と授業をやっても子どもたちに軽重を伝えられるくらいの授業レベルなら、何の問題もない。

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 テストの解き方・最低限の知識
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 国語のテストの解き方4 言語の問題
 社会のテストの解き方
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 算数のテストの解き方4 裏面は授業の反映
 理科のテストの解き方
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新・教育技術シリーズ index

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