日記指導のパターン強化

教育技術シリーズ

 次の日に提出された日記をざっと読んで、1ページ書けていることを大いにほめることである。

 あれだけ書けないと言っていた子どもたちが(内容がなんであれ)書けたという事実をはっきりと伝えておく。子どもたちは書いている内容に目が言っているので、量を意識していない場合がある。この評価の観点は教師が明確に持たねばならない。

 三日目、さらに詰める。
 今度のテーマは「今日の夕食」である。

「今日は晩御飯を書いてください。
 例えばハンバーグだとしたら、ハンバーグの色、大きさ、形、におい。それだけでなく、乗っている皿の大きさ、形も書いていいです。
 ハンバーグと一緒に添えてあるニンジンのことも書いていいです。
 ご飯やみそ汁も出たら、どれから食べたとか、何回噛んで飲み込んだとか、そんなことも書いていいです。」
などとこれでもかと事例を挙げておく。

 中には質素な食事の場合もある。

「忙しくてカップヌードルだった人も気にしないで書いてください。書くことはたくさんあります。
 どこまでふたを開けたのか、何分待ったのか、ふたを開いてどうやって混ぜたのか、エビから食べたのか麺から食べたのか。
 先生は食事の中身が知りたいのではなく、どんな食事であっても1ページ書けるかどうかを楽しみにしているのです。」

と伝える。
 さらに

「残念ながら、食べる前に寝てしまうことがあるかもしれません。その時には、朝急いで朝食のことが、今日の給食のことを書いてください。」

と伝えておく。

 食事の内容には触れなくていい。どんな素材であっても、見たこと作文のスタイルで書くことができるかどうか、思考のフレームの拡大を狙っているのである。

 書くことを何とか見つけて1ページ書いておいで、とそれだけ念を押しておく。

 この段階になると、日記帳が連続してぎっしりと文字で埋まっているように見えてくる。

 それも全て自分の文字である。結果が、意識を変えていく。

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