高生産性の研究授業

学校システム

高生産性研究授業

 同じ研究授業をするにも、より生産性の高い方法を紹介する。
 それは、担任でない学級に入らせてもらって行う研究授業である。

 研究授業と呼ばれるもののほとんどは、自分が学級担任をしている学級で行う。

 ごくまれに、いわゆる飛び込みで行う授業もある。
 これは、著名な実践家がとある学校に招かれて、公開授業をする場合や、公的な研究会が研究授業を行う際に、一つの学校を借りて行うために授業者が他校からやってくる場合などがあるだろう。

 授業をする教師にしてみれば、はっきりと自分の実力が試される場となる。

 通常は、学級経営というフィールドに守られている。教師と子どもが互いによく知っている関係にあり、暗黙のルールも存在する。
 子どもたちは、どこで何をすればいいのかをおよそ理解してくれる。教師も子どもたちの反応が予想できるために、授業の組み立てを考えやすい。

 飛び込みの授業はそうした安全装置が一切ない状態での授業である。
 すなわち、その場の教師の言葉と表情と立ち居振る舞いによって一切を仕切らなければならない。
 言葉を研ぎ澄まし、常に子どもたちを暖かく見守り、安心できる姿で、子どもの前に立たなければならない。
 その上、授業の展開も初見の子どもたちにも納得してもらうものを作らねばならず、当然だが45分の中で収めなければならない。宿題などもない。

 こうした経験を意図的に積むことができれば、授業の技量は上がっていくだろう。

 校内で言えば、専科教師はこれに近い状態で授業ができるので、いい勉強になるはずである。
 しかも教科専科だから、同じ授業を学級数分だけ繰り返しできる。自分で修正していくことも可能である。

 ただし、逆に年間を通して指導することが分かっているので、指導するほどに学級担任に近くなってくる。子どもたちとの関係作りの中で「安全装置」を作っていくことは、十分に可能である。

 教務主任や教頭だと、急な担任の休みに代わりに入ることがあるだろう。
 これも、考えようによっては、勉強になる。

 何と言っても担任が急に休むので、全く準備がない状態の中で、いきなり授業である。

 これをプリント自習の監督にするよりは、何か授業をした方がいいのだろうが、それは学校の状況にもよるので、何がいいとは言いにくい。

 今、全国で教師不足が続き、学級担任を兼務している教務主任や教頭職が増えている。
 本当にお気の毒である。
 本論とはずれるが、お体を大切にと祈らざるを得ない。

 さて、飛び込み授業もさらにバージョンアップできる。
 それは、単元を丸ごと授業することである。

 実は、1時間の飛び込み授業の場合、いわゆる「ネタ」があれば、何とかこなせることが多い。
 同じ学校の休暇代替くらいであれば、楽しく盛り上がるように仕組むことは意外にもすぐにできるようになる。

 単元を丸ごと引き受けるのは、全く話が違う。 「さらに高生産性の研究授業」へ続く。

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