この「見たこと作文」日記と同じことを社会や理科の早い段階で、取り組ませる。
理科の場合は、植木鉢を一つ持ち込んで、見たことを書かせる。「言葉のスケッチ」というタイトルで、1時間取り組ませた。
理科は第一時目に「投げ込み教材」として行うことが多かった。
社会の場合は、第一単元に出てくる写真資料で同じことをさせる。
日記と違うのは、箇条書きにすることである。一つ一つに番号を振り、一つに一行使って書かせる。
そして、書いている合間に、互いの書いたものを発表させたり、見せ合わせたりして、情報の交流をさせる。そして、自分にないものがあれば、書き足すことを奨励し、同じく「量が勝負」であることを実感させる。
日記、理科、社会のどれが一番に来るかは、時間割による。しかし、初めの導入は同じである。「そんな簡単なことを書いていいの?」と安心させて量を増やさせる。
理科なら「例えば・・・葉っぱがあります、とか。」、社会なら「例えば・・・山があります、とか。」そこからスタートする。
それぞれの教科は、ここから教科の内容に入っていくのだが、それは後述する。
さて日記に戻る。
一日目はこうして学校で書き、回収して丸を付けて返す。
二回目はいよいよ家で書かせるのだが、同じく「見たこと作文」の形で書かせる。
お題は、「学校の帰り道」である。帰りの会で説明する。
「今日帰りながら、自分の学校の帰り道について説明してください。
門を出てから右に行くとかでもいいし、ポストのある角を左に曲がるでもいいです。
途中に犬のポチがいますとか、信号が短くて急いで渡らないといけないとか、ともかくなんでもいいから、先生に教えてください。
これで目標1ページ書いてください。1ページを超えてもいいですが、超えなくてもいいです。
玄関にたどり着く前に1ページになったら、そこで終わってもいいです。」
あとはよそ見して事故に合わないように気を付けることを付け加えて、さよならである。
このお題のいいところは、見たこと作文のふりをしながら、ある程度記憶が助けてくれることである。思い出しながら書くことができる。
それに今回の内容は正確でなくいい。目標はあくまでも1ページ書くことである。
かくして大半の子どもたちが連続二日間、1ページを書くことになる。
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