給食指導 配膳のコツ

教育技術シリーズ

 当番出発までの時間がスムーズにいくようになれば、そのまま配膳の方法についても教える。
 これはおかずの種類などにもよるので、しばらくは教師がついて直接指導した方がいい。高学年でもできていなければ、一度は確実に教える。
 高学年だと一度理解できれば次からは自分でできるようになる。

 大量の食事を均等に人数に分けるのが難しい。こんな経験は家庭生活で行うことがないからだ。
(ここから先の話は、地方によって方法は大きく違うだろうからあくまでもローカルルールと思って読んでいただきたい。)

 ご飯は、予めしゃもじで「ご飯の山」を四分の一に切り、食器の山も四分の一に分けておく。そして、一つのご飯の山で、この食器の一山をつぎ切るようにする。そうすることで、一山をつぐたびに量の調整ができるようになり、極端な余りや不足はでなくなる。

 サラダのようなおかずもボールの中で同じように玉杓子でざっくり切っておき、食器の数に合わせて量が調整しながら進めていける。

 汁物のおかずが一番難しいのだが、食缶に目盛りが打ってあるので、それをもとに食器の数と調整することを教える。
 また、上澄みからついでいくと、初めに配られる子は汁ばかり、後の子は具ばかりになる。はじめに上澄みから汁を取り、2回目で玉杓子を食缶の中に深く突っ込んで具を取るという二段階にするとうまくいくことなども伝えた。

 配るのは、セルフサービスで行う。
 例えば牛乳、パン、ジャムなどの添え物は自分たちでグループの分を取りに行く。自分たちで取りに行くから配りミスもない。
 だからパンや牛乳の係は、配膳室から持ってきたら仕事は終了する。そのまま自分のグループにもどって、自分たちの配膳をする。

 おかずも自分たちで取りに行く。当番はつぐだけである。
 各学級に配膳用のトレイを用意されていたので、それを使ってグループの人数分を乗せ運ぶ。運んだら次に並んでいる別のグループの友だちにトレイを渡す。

 こうすると、全体の時間が圧縮されていく。

 唐揚げのような一人一個の固形のものであれば、食器に分けるのは1~2分程度で終わる。あとはそれを各グループから取りに来るだけである。各自が取りに来るので、あっという間に配り終わる。

 慣れてくると、全体が一つの流れになって動いているのが分かるようになる。

給食指導ラインナップ
 給食指導 コンセプト設定 
 給食指導 時短から始める
 給食指導 時短の思想を学ぶ
 給食指導 配膳のコツ
 給食指導 セルフサービスの意味
 給食指導 おかずをつぎ切る
 給食指導 完食よりマナー
 給食指導 食べ方基礎知識
 給食指導 食べ方の指導(高学年)
 給食指導 食べ方の指導(低学年)
 給食指導 おかわりの指導
 給食指導 微細だが重要な食事の指導
 給食指導 知的に指導する
 給食指導 後片付けその他
 給食指導 給食週間と完食指導

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