給食指導 食べ方の指導(高学年)

教育技術シリーズ

 基礎知識としてマナーを教えたとしても、それが実行できるとは限らない。
 指導するなら一度はきちんと踏み込んだ方がいい。ただし度が過ぎるとプレッシャーになるので気を付けて。

 いただきますのあいさつの後、5分後くらいに指示を出す。

「みんなパンを見せて。」

 この5分の間に、すでにパンの食べ方はさまざまである。

 中には全く食べず、袋も開けていない子どももいる。こういう子どもたちは、初めから食べる気がない子どもたちである。食べない想定で食事を進めている。

「袋を開けていない人は、袋を開けて一口、二口食べなさい。」

と話をする。先に「ばっかり食べ」はおかしいという話をしているので、その実行である。

「結果的に残してもかまいません。しかし、初めから食べないというのはなしです。」

と付け加えておく。

 さらに5分経ったら、

「パン見せて~」

 パンの残っている量から自分の食べ終わる時間を推定させる。この時に、他のおかずの進み具合も尋ねておく。

「同じように食べ終わっていますか。ばっかり食べになっていませんか。」

説明してもやってしまう子どももいるから、叱る必要はない。こうした指導はゆるく根気よく話し続けるだけでいい。

 決めている終わりの時間から逆算して

「あと〇分です。」
と伝える。間に合いそうもない時はおしゃべりをやめて、ちょっと急ぐといいね、と付け加えておく。
 終わり際になって急がせても、子どもの食べる速さは変わらない。反対に、時間を意識しながら食べている子どもの方が珍しい。
 間に合わない子どもたちはいつも「あれ?もうこんな時間?」と思っているのだ。こまめに声をかけていくことで、子どもたちもようやく時間配分を考えるようになる。
(子どもの時間感覚なんてそんなものだ。意図的にサボっているわけではない。)

給食指導ラインナップ
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 給食指導 食べ方の指導(高学年)
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 給食指導 おかわりの指導
 給食指導 微細だが重要な食べ方の指導
 給食指導 知的に指導する
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