給食指導 おかずをつぎ切る

教育技術シリーズ

 当番におかずのつぎ分け方を教えても、足りなくなったり、余ったりすることはある。足りない場合は、量が多そうな人から分けてもらうから問題はない。余ったときの対応は一工夫いる。

 「スプーン一杯協力」と称して、余ったものは全員に一さじずつつぎ足す。ご飯であればしゃもじに少しずつ、汁ものも玉杓子に少しずつ、全員に分ける。
 ものすごい量が残ったように見えても、全員に均等に分けると実に少ない。それだけ当番は上手につぎわけていたのである。

 ちなみにこのスプーン一杯のつぎ足しは教師がやっている。

 本来、給食の量は全員いいきわたることを前提に量やカロリーが調整してある。だから、まずはつぎ分けて、一度は食缶を空にするのが原則である。
 子どもたちにも、カロリー計算のことと、給食費を払ってもらっていることから、つぎ切ることの意味を説明している。

 固形のものや一人に一個と決まっているものは、友だち同士でやり取りさせない。
 トラブルの元である。学級が荒れると、プリンを無理やり取り上げておきながら「〇〇君がいらないというので、もらいました。」と開き直る子どもも出てくる。
 事実が起こってしまえば、教師も言えなくなるので、先にやめさせるシステムにする。

 どうしても食べきれない場合は、教師のところに持ってくるようにしておく。これまでの学級では、ここで持ってくる子どもはほとんどいなかった。

 つぎ分けたところで、いただきますのあいさつをする。
 この段階で多いなと思う子どもは減らしにくる。減らす量は、子どもに任せておくこともあれば、教師が調整していた時もある。

 この減らされて残った分が、あとからのおかわりの分となる。
 よく大量におかずが残る学級があるが、ほとんどの場合は、食べる前につぎ切っていないことが原因である。先にも述べたように、つぎ切っていないと言っても全員に分けてしまえば、スプーン一杯分である。あらかじめつぎ切れば、ほぼ全員が食べる。

 まずは給食当番につぎ方を教え、そばについてしばらくの間は教師がサポートすればいいのである。

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