テスト実施方法

教育技術シリーズ

 テストは単元終了の直後に行うべきである。それも、なるべく週をまたぐことすらしない方がいい。
 子どもが忘れるからである。

「いつ実施しようと変わらず結果をだせなければ、実力がついたとは言わない。」という教師もいるかもしれない。
 それは、(先にも述べた)受験競争を潜り抜けてきた教師の間違ったイメージである。

 子どもたちは、たった今これを学習したばかりである。当然、記憶は不安定である。毎日毎日大量に新しいことを身に付けるよう要求されている。

 そうした日々連続するインプット活動の中での、一区切りとしてのテストである。
 長期に記憶させることを考えているなら、別の手立てが必要である。
 教師だって、ある日の研修の内容を一か月後にレポートにしろと言われても、大半を忘れているだろう。そのような評価をされたら、上司に腹も立つだろう。(笑)

 自分のことを棚に上げて子どもに要求するのは、テストの内容が教師にとっては簡単だからである。これくらいのことは覚えておけ、自分は覚えてきたぞ、と心の片隅で思っている可能性が極めて高い。
 子どもが今学習していることと同じように、大人も大人の水準の学習をやった場合に、同じシステムが成立するかどうかという想像力は必要だろう。実はそう考えると、むしろ子どもの吸収力に驚くことの方が多い。

 しかし、なぜか単元終了時にテストをしない教師がいる。「忘れていた」ということも多い。
 そうした教師は学期末に大量にテストをする。一日ぶっ通しでテストをする人も、たまに見かける。
 当然、点数は低くなる。それも学習が苦手な子どもほど、一層低くなる。塾に行っているような子どもほど高くなる。
 またこれも当然のことながら、採点に莫大な時間がかかる。こうなると、点数が低い子どもたちのフォローをする余裕もない。
 その点数が、そのまま学期末の成績に反映している。

 本来テストは、実施日当日、遅くても翌日には返却したい。(参照「テストの採点方法」)学期末に大量に実施するとそれすらできなくなる。

 テストをいつ実施し、いつ返却するかというシステム一つでも、子どもが勉強好きになるかならないかを決めることになりかねない。

テストの指導ラインナップ
 市販テストの点数を上げる
 テストに対する教師のメンタルブロック
 漢字のテストの目的は何だったのか
 小学生のテストは教材そのものである
 テストはまず問題文を読ませる
 テストの解き方・最低限の知識
 テスト実施方法
 テスト採点方法
 テスト保管方法
 テストで名前と文字の指導
 国語のテストの解き方1 見つける
 国語のテストの解き方2 読む習慣
 国語のテストの解き方3 問いに対応
 国語のテストの解き方4 言語の問題
 社会のテストの解き方
 算数のテストの解き方1 ミスとの闘いに勝つ
 算数のテストの解き方2 過程を書かせる
 算数のテストの解き方3 見直しの仕方を教える
 算数のテストの解き方4 裏面は授業の反映
 理科のテストの解き方
 テストの平均点 数字から子どもを見る方法

新・教育技術シリーズ index

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