算数テストの解き方2(過程を書かせる)

教育技術シリーズ

 算数テストを実施するときは、筆算だけでなく他の学習においても、授業と同じことをテストの中に書き込むように指導してきた。

 「単位量当たりの大きさ」「速さ」の単元では、立式の前に数直線を書かせていたが、テストでも書かせていた。

 「対称な図形」の単元では、点対称の図形を書くときに点を結ぶ順番を記入させていたが、テストでも全く同じ段取りでするように伝えた。

 「およその数」の単元では、四捨五入をするときの手順を、そのままテストでも書き残しておくようにした。

 「合同な図形」「拡大図と縮図」など作図の問題では(本当は消させるのだろうが)作図の過程が分かるように、コンパスの跡などを残させていた。

 「大きな数」の学習では、4桁後に薄く線を引かせ「万」「億」など記名させていたが、それをテストでも同じようにさせていた。

 「面積」や「体積」の単元で複合図形が出てくる場合には、分割するための補助線を引かせ、分割した図形に番号を打たせていたが、同じことをテストでもさせた。

他にもいろいろある。

 子どもたちは、何も指示をしなければ、テストのときに答えしか書かない。計算の時には立式だけを書き、場合によっては筆算の跡すら消そうとする。
 授業の中で教えてきたさまざまなステップを、テストの時には全部飛ばしていきなり答えを出そうとしてミスをすることが多々ある。
 テストとはそういう風に答えだけを書くものと思っているのかもしれない。

 しかし、テストは学習の結果を確認するための「教材」であると考えたときに、そこに思考のプロセスが残っている方がいい。
 子どもも授業と同じように解いていくだろうし、採点する教師も見直しをする子どもの思考が見える。間違えたときにもどこを間違えたのかミスを見つけやすい。

 テストは子どもなりに緊張するものである。限られた時間の中で、多くの問題を解くことにもなる。ミスも起こしやすい。

 今までの授業の取り組みを意図的に再現させることで、テストも学習の一部としてとらえさせて、力を発揮できるようにさせたい。

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 テストの解き方・最低限の知識
 テスト実施方法
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 国語のテストの解き方4 言語の問題
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 算数のテストの解き方1 ミスとの闘いに勝つ
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 算数のテストの解き方3 見直しの仕方を教える
 算数のテストの解き方4 裏面は授業の反映
 理科のテストの解き方
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