水泳指導18 キックとストローク

 ブレスの課題が合格し、浮いた状態での連続呼吸ができるようになれば、「泳ぎ」の練習である。

 一度「呼吸」の練習を外して「浮き」から「泳ぎ」へステップアップする。

 他の指導を見ていると、キック(バタ足)の練習から始めることが圧倒的に多いのだが、これはおそらくビート板を練習の過程で使わせるからだろうと推察する。

 この一連の流れでは、ビート板やヘルパーなどの道具は一切不要である。

 この一連の指導をするようになってからは、ストロークの練習を中心にするようになってきた。手の動きがうまくいくようになれば、足が連動して動くようになるからだ。

 そこで、ストロークの指導から始める。

 まずけのびの確認から始める。壁を蹴って前に進む。動きが遅くなってきたと思ったら、手かきを始めて、少しでも前に進むようにする。

 いきなり手かきを始めると、けのびよりも進まない子どもが続出する。体を動かそうとすると、これまで身につけてきた脱力やフォームの感覚を忘れてしまうのだろう。

 そこで、けのびの感覚から入り、そこに腕の動きを付け加えるように順序にした。

 一回目は思うように進まない。

 そこでようやく、手の動かし方について指導する。

 何も指導しなければ、子どもたちの手の動きは、お風呂のおもちゃのようにただぐるぐるとかき回すような動作にしかならない。

 前にある水を押しのけて、代わりに自分が前に出る、そんな感覚で手を動かす。

 まず指先は閉じ、水をすくうように閉じたまま少しだけ指を曲げる。この状態で水をかくと、抵抗感が生まれるのが分かる。指を広げていると、そこから水がもれるので、抵抗感も減る。

 手の力で前に進むためには、この抵抗感が大切なのである。大きな水の塊をつかみ、それを後ろに押しのけることによって自分が前に進む。当然、手や腕には水を後ろに追いやるための力が必要になる。

 抵抗感を感じる手のかき方がいいかき方だと子どもたちには伝えていい。

全員25m完泳を目指す水泳指導ラインナップ

水泳指導 準備シリーズ 学年全員の指導をターゲットにします
 01 泳げることの向こう
 02 指導は5月に始まる
 03 指導の全体像
 04 子どもたちのエピソード
 05 指導の系統

水泳指導 浮きの指導シリーズ 苦手な子どもたちはここからていねいに指導します
 06 顔を水につける
 07 もぐる
 08 浮く指導
 09 浮く指導の小さなステップ
 10 ふし浮き
 11 けのび
 12 けのび微細な指導

水泳指導 息つぎの指導シリーズ 25m完泳しない大半の理由はここにあります
 13 息つぎ
 14 ボビング
 15 連続したボビング
 16 浮きと呼吸の連動
 17 浮きと息つぎの発展

水泳指導 ストロークとキックの指導シリーズ 協応動作という考えを水泳にも取り入れます
 18 キックとストローク
 19 ストロークどこを見るか
 20 腕に水の抵抗を感じるか
 21 キックの練習
 22 キックとストロークの連動
 23 ブレスをいれた泳ぎ 
 24 クロールのブレス

水泳指導 目標の25mへの指導シリーズ いよいよゴールへ向けて詰めの指導です
 25 完泳への力を蓄える
 26 目標25mへ
 27 完泳までの道のり
 28 酸素摂取能力

水泳指導 まとめシリーズ 学校全体で指導ができると負担軽減・効果倍増なのです
 29 保護者への話
 30 全校での指導
 31 全校での指導系統案

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